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゙ュエリー+] [エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー+]

直線のみならず曲線部分すら、ルビーを精密にカットして隙間なくセットしてあります。

[ジャンク アンティークジュエリーカリブレカット ルビー+]

ヘリテイジはお求めやすい価格の宝物は扱いますが、コンディションが悪かったり低レベルのジュエリーは、アンティークであっても一切扱わないのでジャンク品をご覧になったことがない方も多いと思います。

左の画像は委託販売をお断りしたブローチの、カリブレカット・ルビーの拡大画像です。元々の作りも悪いのですが、踏みつけたか何かで破損した物を、接着剤で修理したとみられます。紛失した石の一部は、色もサイズも合っていないものを無理矢理突っ込んだらしく、側面から見るとかなり飛び出していました。

【参考】ジャンク品
カリブレカット・ルビー&ダイヤモンド ブローチを一部拡大
[ジャンク アンティークジュエリーカリブレカット ルビー+]

別の部分の拡大画像です。明らかに隙間がありますし、宝石らしいカットもなされていません。海外の露店で覚悟の上、ダメ元の安値で買ったならば納得もできるのですが、国内有名店で正規価格でご購入されたそうで、開いた口が塞がりませんでした。

これがアンティークジュエリー業界の実情の一部でもあり、委託販売をお断りする場合の理由の1つでもあるのです。このような悪意を感じる品物を、大切なヘリテイジのお客様に販売するわけにはいきません!!

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[エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー+]

今ではもう、カリブレカットのような高度なセッティングはできません。でも、それだけ難しい技術でも、主役ではなくデザインの一部であり脇役なのです。これこそが、このペンダント&ブローチが作られた時代の美意識なのです。

ヴァンクリーフ&アーペルのミステリーセッティングなんかと同じにしてはいけません。セットする石の大きさが違います。イコール難易度は桁違いです。

私から見れば、ミステリーセッティングはセッティング自体が主役となっていて、「手段が目的」状態です。美しいジュエリーを作るための技術ではなく、小さい石を寄せ集めて高く販売する理由付けのための技術です。画素数の少ない、初期のインベーダー・ゲームやスーパーマリオのようにしか見えません。

ちなみに高額になる理由の1つは、あまりにも難しい技術でセッティング時に欠けたりして使えない石が多いからと聞きます。工業製品的に言うなら、歩留まりが悪いということでしょうか。そんなことにお金を払うのは私は嫌だなぁと思ってしまいます。まあ、個人の美意識や価値観なので、他の方に押しつけたりはしませんが・・。

[エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー+]

側面から見ると、エドワーディアンならではのプラチナにゴールドバックなのが良く分かります。

一般のジュエリー市場にプラチナが出始めたばかりで、非常に高価だった時代に作られた証です。

[エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー+]

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