元と小元太のフォト日記 : メルマガお申し込み



「新井旅館」

修善寺の新井旅館はTVなどでもよく紹介されているからご存じの方も多いと思いますが、実際自分で泊まってみて改めて日本の旅館の素晴らしさに感動しましたね。
写真はロビーから客室につながる渡り廊下ですが、池の上に浮かぶような作りでうっそうと茂る紅葉の自然な感じの庭と一体化していて、本当に心地良いのです。これは明け方の写真ですが、僕はとても安らぎを感じてずーっと椅子に腰掛けて眺めていました。

建物は文化財に登録してある明治時代の建物で、常連だった有名画家たちのアイデアを随所に取り入れた遊び心のある造りが目を楽しませてくれるのですが、例えば写真左手前の欄干にも目の錯覚を利用した仕掛けがあるのです。ここは坂になっているのですが、それを感じさせないように料端の高さを変えてあるのです。メインの浴室は安田靫彦画伯の企画による天平時代の様式で造られ、わざわざ巨額の費用を掛けて台湾から運ばせた素晴らしい檜の大木で造られているのです!
僕の故郷の上杉伯爵邸に行った時も思ったのですが、古い板ガラスの独特の色と歪みを通して見る庭の風景は何とも良い味がありますね!♪
今では入手困難な素晴らしい素材と昔の職人ならではの見事な仕事を感じさせる造り、そして時を経た物だけが持つ味わいは、今ではどんなにお金を掛けても造り得ない魅力です。
こういう贅沢な造りは今の新しい旅館やホテルでは経済的効率を考えるととても出来ないことで、新井旅館のような老舗の旅館ならではですね。

この旅館の三代目は画家を目指していた芸大の学生だった時、神田のニコライ堂(ロシア正教の教会)に通っていた二代目のお嬢さんと出会い、その後結婚して旅館を次がれた人ですが、彼が当時の若手の画家たちのパトロンになり多大な応援した結果、安田靫彦、横山大観など多くの画家や文人などが訪れるようになり、それが新井旅館をますます魅力溢れるものにしていったようですね。
このような古い木造建築の旅館を維持するのは並大抵の努力では出来ないことです。とても経済的なことだけ考えるオーナーでは出来ないことだから。
僕はこの旅館の本質的な魅力を知ったうえで、多くの方に泊まって頂けたらと思います。

二代目の当主はお嬢さんの為に近くにロシア正教の教会まで建てているのは驚きですし、Renaissanceという名前のギャラリーが気に入っているGenとしては何となく親近感を感じるのです。

この新井旅館は心を癒したくなった時にはまた訪れたいものだと思っています。

新井旅館のHP
http://www2u.biglobe.ne.jp/~izuarai/index.htm


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- All Planning, Design & Photo by Gen Katagiri -

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