『夜桜を舞う梟』
アングロジャパニーズ・スタイル 両面・赤銅高肉彫り象嵌 ロケット・ペンダント
赤銅:日本 1870年頃
ロケット:イギリス 1870年頃
赤銅、金、銀
サイズ(本体のみ):3.2×2.3×1.2cm
重量:21.0g
\3,800,000-(税込10%)
「こんな作品が作られていたなんて!!」と感激しました。日本最高峰の職人技と、日本人ならではの美的感性が込められた奇跡の赤銅芸術です。もちろんミュージアムピースです!♪
江戸から明治に移り、廃刀令によって鐔職人の殆どが仕事を失いました。そのような中、最高峰の腕を持つごく一部の職人だけは海外を意識した美術品制作に活動の場を移し、新たなチャレンジを始めました。西洋と影響し合い、国内でもトップクラスの職人同士の競争で切磋琢磨できる環境が生じ、日本美術は飛躍的な発展を遂げました。需要が一巡し、人件費や為替などの点で海外からオーダーするメリットも失われ、需要が収縮すると、あっという間にそのような美術品制作はできなくなります。日本も産業革命を経験し、新たに鐔職人を目指す者もいませんから、高度な職人技もすぐに失われてしまいました。
この宝物はイギリスの高位貴族にとって、日本美術の最高級品が社交界で特に注目されるステータス・アイテムだった時代と、トップクラスの鐔職人の神技を西洋向けに応用できた時代が重なった、奇跡のタイミングで制作された幻の逸品です。ゴールドを配合して黒を表現する『赤銅』は日本独特の技術で、だからこそ"日本の黒"を主役にした作品となっています。
日本人ならではの感性が伝わってくる、精気の宿った梟や桜の幹、花の幽玄の美の表現が心を動かします。他の高級赤銅でさえも類を見ない超難度の立体造形や彫金は、まさにあり得ない神技です!細部の表現まで美意識とセンスが行き届いており、これぞ日本人による至高の芸術です。イギリスの職人が仕立てたロケットも秀逸な作りで、名脇役として赤銅を惹き立てています。オーダー主にとって自慢の宝物だったことは間違いありません。いつまでも手元で見ていられる、心満たされる小さな芸術です♪