《ピンは楽し♪》
僕が扱ってきたピン(クラバット・ピン)は、19世紀からアールデコまでの物ですが、フランス語のクラバットはネクタイのことで、当時のネクタイは今のネクタイとは構造が違い、ずれやすかったので、それを留める必要があったことから付けられるようになったのです。
フランス革命以後女性の引き立て役となった男性ファッションでは、指輪と懐中時計以外のジュエリーはほとんど付けなくなっていただけに、小さくて目立たないクラバット・ピンが男性のジュエリーとして人気があったのです。
ピンは男性の物だっただけに、凝った作りの物や立体的な作りの物が多いのですが、それは指輪に比べて制約が少なく、多彩なデザインを楽しめたからだと思います。
貴族などの上流階級の男性は、自分の趣味に合わせて注文していろいろなピンを作らせて自慢しあったんでしょうね。
日本の昔の工芸がそうであるように、小さくて手間を掛けた高度な技術で作られた物こそ、アンティークの醍醐味なのです!
小さくて作るのが大変な物は、商売として最も儲けにくい物なので、現代物は論外としてもアンティークでも多くはないのです!
Nakagawa Collectionを見ているとデザイン、細工、素材が実に多彩で、見ていて飽きません。Nakagawaさんがピンのような面白みのある物に注目してコレクションされたことには感服します。
ピンの使い方が分からない方も多いようですが、今はネクタイ留めに使うのではなく、ジャケットの襟に小さなブローチを付ける感覚で使えば良いのです。
小さな物なので、二つ三つと組み合わせを楽しむことも出来ますし、小さなブローチと組み合わせても楽しいと思います。
付けた時にピン先が不安な方は、ゴールドのピンキャッチを付ければ問題ありません。
NakagawaさんのPin Collectionのように、テーマを決めてアンティークジュエリーをコレクションされるのは実に楽しく有意義なことだと思います!♪
Nakagawaさんには、北欧の銀のボウル(アンティーク)にベルベットのクッションを入れた物をプレゼントして差し上げたので、彼女はそれにこれらのピンを刺して飾っても楽しまれています。
そして外出する時は、その時の気分や会う人によって、ピンを選ぶのが楽しみのご様子です♪
複数のアンティークジュエリーをお持ちの方は、コレクションケースに入れて鑑賞されるのも良いと思います。
コレクションケースのオーダーを承ります。これからNakagawa Collectionの一点一点を拡大画像とともに詳しい説明を付けたページを作るのが楽しみです♪
まずは拡大だけでも出来るだけ早く全部見て頂けるように致しますのでお楽しみに〜♪
クラバット・ピンの最大の特徴と魅力は完全に立体的な作りです!
指輪ではぶつけて破損しやすいのでカメオでさえも少ないですし、ブローチは裏にピンを付ける必要があるため出来ません。ペンダントでたまに完全に立体的な物がありますが、そのほとんどは元はクラバット・ピンだった物をペンダントに作り直した物です。