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ツール
るような、ヘンテコな顔の土偶ですみません(笑)

とは言ってもこの土偶は90円切手のモチーフになたこともある、美術界でも評価の高い超有名な土偶なのでご存じの方も多いと思います。

『ハート』は遙か太古の時代から存在し、地域も限定されず各地、各民族に見られる単純かつ普遍のモチーフです。

[w-ha-16-...+]カトリック教会のステンドグラス
All Saints Catholic Church(St. Peters) 設立1823年
"All Saints Catholic Church (St. Peters, Missouri) - stained glass, sacristy, Sacred Heart detail " ©Nheyob(8 July 2014, 17:31:19)/Adapted/CC BY-SA 4.0

現代だとハートは愛の証、可愛らしいモチーフとして既にイメージが確立していますが、キリスト教圏でハートと言えば『聖心』ですね。

聖心はイエス・キリストの人類に対する愛の象徴である心臓、もしくはその心臓への崇敬を示す言葉です。

もともとキリスト教最初期の時代から、教会では一種の『神の愛』への信仰は存在していたものの、最初の千年間はキリストの心臓に対する崇敬の痕跡は一切認められていません。聖心への崇敬が見られるようになるのは11、12世紀頃からです。13-16世紀にかけてさらに普及し、当初は私的崇敬だったものが17世紀には公のものとされ、『聖心の祝日』が設定されるようにまでなります。

[w-ha-16-...+]聖人マルガリタ・マリア・アラコク(1647-1690年)モントーバン大聖堂"Cathedrale Notre-Dame-de-l'Assomption de Montauban - Vision de Marguerite-Marie, religieuse de la Visitation par Armand Cambon PM82000424 " ©Didier Descouens(2 August 2016)/Adapted/CC BY-SA 4.0

今日の聖心崇敬の隆盛を決定づけたのは、修道女で聖人のマルガリタ・マリア・アラコクの「キリストの姿を見た」という神秘体験です。

1673年、イエスが彼女の頭をイエスの心臓の上にもたせかけ、彼女にイエスの愛の奇跡を示し、これらの奇跡を世のすべての人に知らしめ、神の宝を広めることを望んでいること、その任に彼女を選んだことを伝えたそうです。

1674年、イエスがその心臓の図像のもとで崇められることを求めたそうです。

1675年の聖体祝日の期間に「大いなる出現」と呼ばれるヴィジョンがあり、イエスは「人々をこれほどまでに愛したこの心臓を見よ(中略)私は(人々の)多くからは感謝ではなく忘恩しか受けていない」と述べ、彼女に聖体祝日後の金曜日に償いの祝日を執り行うように求めたそうです。

[w-ha-16-...+]心臓を見せるキリスト(コラード・メッツァーナ 1922年)"HerzJesu mit Droste zu Vischering und MMA" ©

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