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ツール
大きな核を入れる訳ですから当然です(笑)。

天然真珠

あこや貝などの真珠層(貝の内側の虹色に輝く部分)を持つ貝(養殖真珠はほとんどがあこや貝ですが、天然真珠はあこや貝以外の貝からも採れる場合も結構ある)に偶然入った小さな異物を核にして(無核もある)、長年の年月を掛けて真珠層が形成される。

天然真珠の核は丸い訳ではないし、大きさもまちまちです。無核のこともありますから、真珠が大きくなればなる程ほとんどが歪になるので、真円真珠になる確率はもの凄く低いのです!

だから天然の真円真珠は大きさと色によって価格の差が驚く程あるのです!

天然真珠は採るのも大変です。そのほとんが海で採れる訳ですが、素潜りで海中に潜り一回にどれだけの真珠が採れて、その中に商品価値のあるようなある程度の大きさの真円真珠がどれだけあるかを想像してみてください。

大玉の真珠が採れる確率は極めて低いのです。だから大勢の真珠取りが必要で、危険を冒して一日に何回も潜る必要があるのです。それも驚く程の低賃金で・・・。

そういう状況だっただけに、1921年に日本から、天然真珠に比べて圧倒的に安い養殖真珠が欧米に輸出されるようになると、天然真珠産業は採算が全く取れなくなり壊滅してしまったのです!!

因みにアンティークジュエリーに使われている真珠は取り替えられてなければ、すべて天然真珠です!

だからこそ、現代の養殖真珠を使ったジュエリーとは真珠の扱い方に大きな違いがあるのです。

天然真珠のネックレスでは、クラスプとクラスプの糸の繋ぎ方が重要なポイントになります。

天然真珠は当時、貴重で高価な物でしたから、価格が比較にならないぐらい安い養殖真珠のネックレスのクラスプとは全く違う贅沢な作りになっているのです!

大きな珠のネックレスの場合は、ほとんどが1910年から1920年代の物なので、クラスプはプラチナで、ダイヤモンドがセットされています。

クラスプにダイヤモンドをセットした贅沢な作りは、高価な天然真珠を使った物である証でもあるのです。

当時は今のような真珠用のテグスが無かったので絹糸を使っているので、金属のクラスプとの繋ぎ方に工夫を凝らしています。摺れて切れないようにコイル状の金属線を使った独特の繋ぎ方をしているのです。

だから、クラスプとその繋ぎ方を見れば、天然真珠を使っていた時代のネックレスだと断定出来るのです。

天然真珠と養殖真珠の変色の度合い

真珠を留める時にほとんどの場合、穴を開けますが、養殖真珠はその穴から核と真珠層の間に大気中のいろいろな物質が浸透して内部から変色が始まり、真珠層がたった0,5mm〜1mmと薄いのですぐに変色してしまうのです!!

特に肌に直接触れるネックレスでは、肌から分泌される脂肪性物質や化粧品などが、核と真珠層の間に染み込むことで、真珠層の内側に変色が起こり、薄い真珠層をとおしてそれが見えるために、外観が汚くなるのです!

天然真珠は核が無いか非常に小さく、ほとんど全部が真珠層なので、内部からの変色はほとんどあり得ないのです!

ルネサンス期の天然真珠のジュエリーが、良い状態で残っているのも珍しいことではないのはその為です。

それに養殖真珠は初期に於いては、貝から取り出して2年間自然乾燥して色が落ち着いてから出荷していたのですが、ある時期から、コスト削減の


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