17世紀には、シグネットインタリオは紋章のデスクシールや懐中時計と一緒に下げるフォブにつけるのが一般的になっていき、シグネットリングは姿を消し初めています。
18世紀以降はシグネットリングはほとんど見られなくなり、古代ローマ風のインタリオ をセットした、ジュエリーとしてのインタリオリングが大半を占めるようになります。
そして19世紀中期には、インタリオ自体が好まれないようになり、カメオが女性のためのジュエリーとして大流行したのです。
Gen&Jun Katagiri
右のリングは以前に扱ったリングですが、このような17世紀のガーネット+金のシグネットリングは非常に珍しく、二つも扱うことができたのは、すごくラッキーだったとお思います。
サイズは違いますが、指輪の作りはほぼ同じで、ガーネットのインタリ付きで、彫りのタッチも似ていることから、作者が同じである可能性が高いのです。
インタリオの部分をはじめ、全体的に約400年の時を経た時代感が感じられます。
インタリオの右上に小さな欠けがありますが、希少性から言って全く問題にはなりません。
この格調の高い気品のある指輪の作りは、正に貴族が作らせた指輪だと感じさせるものがあります。