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　楕円で凹面の半艶消しの部分に巧みに表現された葡萄は、僕が過去32年間でも類を見ない優れた金細工であり実に美しい物です！
　まずは葡萄の粒の部分の粒金ですが、右上の実物に近い画像で見るように一粒の直径が1mm以下のの極小の粒金を平面ではない、このような立体的な葡萄の形に蝋付けするなどということは、19世紀の名工カステラーニの作品の中にも見たことがありません！彼は古代エトルスカンの粒金を再現したと豪語している人物ですが・・・（笑）。現代の日本にも同じような事をやっている輩がいますね～。歴史は繰り返すっていうけど・・・（笑）。
　アンティークジュエリーは、名も無き職人が作った物でも超有名な作家に勝るとも劣らない優れた物があるところに面白さがあるのです！

　ちょっと脱線してしまいましたが、直径1mmにも満たない葡萄の粒がこれだけ拡大しても綺麗な真円に見えるのも凄い事なんですよ！これだけ小さな粒金を綺麗な形に作ることがどれだけ難しい事かは、経験豊かな職人でないと解らないことですけどね。
　そしてもっと難しいのは、極小の粒金を立体的な葡萄の形になるように蝋付けすることなんです！この凄さは空前絶後です！！
　
　葡萄の枝、葉、弦の彫金も極めて具象的でまるで本物に金メッキでもしたのかと思ってしまうほどの凄さです！

　このような古代風のゴールドジュエリーには欠かせない縒り線が、また完璧な美しさなのにも驚嘆させられます。太さの違う縒り線を幾重にも巻いた粒金とのコラボレーションは、古代のゴールドジュエリーを彷彿させるものがありますね。次ページへ続く

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