このシェルカメオは約300年前の極めて珍しいオイスターシェルを彫ったカメオです！！

このカメオは17世紀の絵画をモチーフにして作られたカメオだと思われますが、題名は調査中です。

このカメオは、キャスケット（宝石箱）などにセットされていた物だと思われます。

カメオブームで沢山作られた19世紀以降のシェルカメオとは全く別物なのです。

白で質感の違う二層の層を持つオイスターシェルで、下の層は半透明で上の層は不透明なので、裏から光りを当てると幻想的な美を感じます！！♪

19世紀のシェルカメオはほとんどが茶色と白の二色の層を持つ貝を使っていますが、このように白の単色で質感の違う層を使ったカメオは、下の古代ローマのストーンカメオにも見られます。

もしかすると、古代のカメオを見て、似たような効果の出る貝を手に入れた作者が作ってみたのかも知れません。

欧米の美術館所蔵の古い年代のシェルカメオを見ても、このようなオイスターシェル　カメオは極めて少ないのです！！

大英博物館所蔵の「ウルカヌス（ヘパイストス）の鍛冶」と比較しても、このカメオが如何に美術的希少価値が高い作品であるかが解ります！！

19世紀のシェルカメオで評価が高い物は、大型の古代ローマ・ギリシャ神話に基づいたモチーフで、この17世紀のオイスターシェル　カメオのように名画をモチーフにした物は、ナポレオン1世時代から始まるカメオブーム以前の古い年代の物でなければほとんど見ることのない物です！！


僕はこの300年も前に作られたシェルカメオの希少価値と魅力を、皆さんにぜひ解って頂きたいと思います。30万円台の19世紀中期のシェルカメオと比較してみてください。

ミュージアムピースと言えるこのオイスターシェル　カメオが如何に素晴らしいか、如何に価格が安いかがお解り頂ける筈です！！

オイスターシェル　カメオ　ルース
「ウルカヌス（ヘパイストス）の鍛冶」
ドイツ　17世紀
幅7,6cm
大英博物館蔵

アルガルディがウルカヌスがウェヌスの頼みでアイネイアスに鎧を作っている場面にならったもの。
枠はなく、箱の蓋に付けられていた可能性があります。