アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム
アポロン インタリオリング
1円玉サイズ ←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小の比率が分かります。


アゲート インタリオリング
『アポロン』

ヘレニズム期 B.C. 200-150年頃
アゲート、15〜18ctゴールド(シャンクは19世紀)
ベゼル:1.3cm × 0.9cm
リングサイズ:17号(サイズ変更可能)
Sold

ギリシャ神話の神『アポロン』を彫ったインタリオリングです。

アゲートの層を生かした彫りはヘレニズムならではの幻想的な感じがありますし、アポロンの表現にも俗っぽさがなく、まるでアルカイック期のような古雅な味わいがあります。

アポロンの全身像やローマ化されたイメージで一定以上の程度の大きさのインタリオは美術館などで見ることができますが、こんな小さな石に古風な良い彫りをしている物は非常に珍しいと言えます。

Gen & Jun Katagiri

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム
(上)アポロンの象徴である巻き毛をフィレットと呼ばれるヘアバンドで留めています。心身ともに調和が取れていることが伝わってくるような表情です。石も黒光りして美しいですし、大人のジュエリーって感じがしますね〜♪

ヘレニズム インタリオ アテナ

『ニケを持つアテナ』
インタリオルース
古代ギリシャ 紀元前2世紀(ヘレニズム)
バンデッドアゲート
Sold

僕が最近扱ったヘレニズムのインタリオで、石の中央を白い線が横切っていますが、インタリオのモチーフとは関連がないところが面白いところです。

ヘレニズムのインタリオは、インタリオのイメージと直接関係のない石の模様にアーティスティックに、そして大胆に彫ってあるのが特徴です。

このインタリオも頭の部分に白い模様が出ていますが、何かに見立てている訳ではありません。この部分は他よりも少し深く彫ってあるので、下の白い層が見えているのです。

古代のインタリオは印鑑としての実用的な役割を兼ねて作られた物が多いのですが、ヘレニズムのインタリオは印鑑としての役目だけでなく、アートを意識して作られているからだと考えられます。

そこが古代ローマのインタリオとの違いで、興味深いところです。

ローマ ニコロ インタリオ

ニコロ インタリオ リング
人物と山羊
古代ローマ 2世紀
Sold

このインタリオはニコロといって、石の青白い層を薄く彫り残して下の黒い層が透けて見えるような効果を出しているのですが、このページのアポロンのインタリオは、反対に黒い層から下の白い層が見えている訳です。

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム
三層のアゲートの特徴を出す為に厚みのあるカボッションカットにしてありますが、白い層の部分に黒のまだらが見えます。このあたりが古代ローマの石の使い方との違いと言えます。

シャンクは19世紀の作りですが、二つの輪をつないだ面白いデザインです。

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム
シャンクは薄い金の板で作れているのを見ると19世紀でも初期の金が高かった初期の物だと思い

アルカイック→古典→ヘレニズム→ローマ(帝政)とアポロンの表現の仕方は時代によって変わっていきます。

このアポロンのインタリオの時代はヘレニズムですが、彫像や他のインタリオと比べてみると特色がよく解ります。

紀元前1世紀 アルカイク様式 クーロス像

(左)
前530-520年頃のクーロス像の様式にのっとり、「アルカイック風」に制作されたレプリカと思われる(前1世紀)。『アポロンへのホメロス風讃歌』に、アポロンはたくましい肩、流れるような髪、ひきしまった筋肉質の肉体をもち、若さのさかりにあると歌われている。すべてのクーロス像がアポロンをモデルにつくられたと考えられているのはこのためである。当初、右手には奉納用の鉢、左手に弓を持っていたこの像は、まさしくアポロンをかたどったものだ。

ナイジェル・スパイヴィー、マイケル・スクワイア著
『ギリシア・ローマ文化誌百科』より

アテナイ 紀元前1世紀頃
ブロンズ
ヴェルデーレのアポロン

(左)ベルヴェデーレのアポロン
ハドリアヌス帝(AD120-140)時代 大理石
ヴァチカン博物館群のピオ・クレメンテ美術館

大変有名なアポロン像で、ヨーロッパの新古典主義時代に理想的な像とされてい以来、アポロンといえばこの像のイメージでギリシャ神話の本などに載っています。

制作されたのはローマですが、BC350〜325年頃のクラシック期のブロンズ像を元に模刻されたと考えられており、まさに弓を引き放った直後の姿と言われています。

アルカイック期の像と比べるとポーズが異なり、顔の表情にアルカイック・スマイルがなくなっていますし、巻き毛が頭の上に盛り上がり、もみあげや後ろ髪も大きく波打っています。

 

 

アポロン 紀元前1世紀 アメジスト リング エルミタージュ

古代ローマ 紀元前1〜後1世紀
アメジスト
2.0cm × 1.5cm
作者:Hyllos
デューク・オブ・オレルアンのコレクション、パリ 1787
エルミタージュ美術館

ヘアバンドはアポロンの守護樹である月桂樹で飾られています。

ローマ アメジスト インタリオ アポロン ソロン作 ポールゲッティミュージアム

古代ローマ 30-20 B.C.
アメジスト インタリオ
3.3cm × 3cm
ポールゲッティー博物館

大型のアメジストにアポロンの顔を彫っている。
真っ直ぐな鼻、丸い顎、角張った顔に広い頬というローマの理想化された表現になっていて、アポロンの姿として皇帝アウグストゥスを彫っている。古代ローマの皇帝はそれぞれ個人的に崇拝する神があり、アウグストゥスの場合は、アポロンだった。作者はソロン(同名の政治家とは別人)と推定されている。

アポロン インタリオ リング アゲート ヘレニズム

このアゲートのアポロンは、上の写真のアメジストのインタリオと比べると元々の石が小さい上に、白い縞の内側に彫っていて、カボッションなので曲面に彫っているのです!!

(左)B.C. 200-150
インタリオの大きさ1.3cm × 0.9cm

アポロン インタリオリング
1円玉サイズ ←実物大
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