ジュリアーノ ペンダント アンティークジュエリー 実物大100円玉サイズ ネオルネサンス様式
ファイヤーオパール ペンダント
カルロ・ジュリアーノ(Carlo_Giuliano)作

イギリス 1880年頃
ファイヤーオパール、エメラルド、ブラック&ホワイト・エナメル、18K
5,7cm×3,1cm (バチカンを含む)
重量10,2g
Sold

ジュリアーノは、ローマで古代のゴールド・ジュエリーのインスピレーションを得た作品で有名なカステラーニに師事し、1867年からロンドンで独立してロバート・フィリップスを始めとする著名なロンドンのジュエラー向けに製作を行いました。
1874年に独自の店をオープンし、ルネサンスのエナメル・ジュエリーにインスピレーションを得た独創的な作品を作り、独特のの色彩感覚がラファエル前派のサークルや審美主義の上流階級の人たちに絶賛を博しました。

ジュリアーノの作品の特徴は、ルネサンス期に開発されたオペイクエナメル(不透明なエナメル)で、白のエナメルの上に黒のエナメルで模様を重ねる技法を使っていることです。
これはルネサンスのエナメルをより進化させた技法で、高度な技術と手間を要する技法です。

このエナメルはジュエリアーノ・スタイルのエナメルとして、他の作家たちにも取りれられています。

普通は白のエナメルの上に黒のエナメルで模様を描いてあるのですが、この作品には、白のエナメルに黒の帯状のラインを描き、その上のさらに白のエナメルでドットを描いてあります。
これはカルロ・ジュエリアーノの作品でも珍しい技法です。

ジュリアーノはサファイヤなどの高価な宝石を使った作品も作ってはいますが、彼のポリシーが良く出た作品は、唯、美しくて高価な宝石を使うのではなく、それほど高価な石ではなくても面白みのある石を使ったり、石は唯色彩だけを考えて作ったアーティスティックな作品です!

才能豊かなジュエラーほど、高価な石を使っていることで評価されるようなジュエリーを作ることは好まないものです。あのロシアのファベルジェも名前さえ知られていないような、珍しくて面白い石を使ったジュエリーを製作しています。それらの石はオッドストーンと言われて貴石ではなく希石と言われている石です。

このジュリアーノのペンダントに使われているメインの石は、メキシコで1870年から初めて組織的に採掘されるようになったファイヤーオパールが使われています。

メキシコ産のオパールは1880年以降に出回るオーストラリア産のオパールに比べれば、ワンランク落ちるのですが、ファイヤーオパールだけは別格で、メキシコ産の石が最も美しいのです!!

皆さんはファイヤーオパールというと、その辺の宝石屋で売っているオレンジ色(それも決して美しくはない)の透明なだけで、遊色効果の無い安っぽい石を想像されるのではないでしょうか?
アンティークジュエリーでも無遊色のファイヤーオパールを使った物はありますが、それは石の色が奇麗です。

この素晴らしいファイヤーオパールを見て調べてみたら、現在、売られている無遊色のファイヤーオパールは、厳密に言うと、このファイヤーオパールとは違う種類の石だということが解りました。1980年台からドイツで無遊色のオレンジ色の石をファイヤーオパールとう商品名で販売し、それが人気があったことから世界中でその石がファイヤーオパールと言われるようになったようなのです。

だから、このジュリアーノの作品に使われている石こそ、正真正銘のファイヤーオパールなのです!!それも最高品質の!!

ジュリアーノが、このファイヤーオパールを使ったのは、ルビーやサファイヤのように財産になるような高価な石ではなく、強い衝撃を感じる面白くて美しい石という捉え方で使っているのだと思います。

このファイヤーオパールは、その名前のとおり、石の中に炎が見えるような衝撃的な美を感じさせる石です!!!

石の上部はグリーンの遊色が出て実に美しく、それに合わせて石の上部にグラデーションになったカボッションカットの小さなエメラルドを 5個セットしているのです。

グリーンの遊色の下には、明るいオレンジ色の遊色が見え、さらにその下の赤い炎のような遊色が目を奪います!!

このような美しいファイヤーオパールは、1870年にメキシコのQueretaroで組織的に採掘されるようになったので、ジュリアーノが店を出してネオルネサンスのジュエリーを作り始めた1874年頃には、その存在さえ知らなかった人たちに強い衝撃を与えたのに違いないのです!!

光の当たり方で変化する不思議な炎のような遊色効果に、作者のジュリアーノもきっと感動し、この類い希なる美しい石を活かす為の特別のデザインの作品を作ったのに違いありません!!!

だからこそ、下に下がっているエメラルドも見た事も無いような深い美しい緑のエメラルドを使っているのです!!

そしてジュリアーノのエナメルでも珍しいパターンのエナメル!

バチカンも裏まで全く同じエナメルワークです!

ファイヤーオパールの下部にある小さな黒い斑点は後で付いた物ではなく、石に含まれているインクルージョンで、拡大してあるので目立ちますが、実物は肉眼ではほとんど気づかない小さな物です。

ジュリアーノには二人の息子がいて、彼の後を継ぐのですが、天才の子は天才にあらずで、父親には到底及びも付かないレベルの安価なジュエリーを作っています。



ファイヤーオパール アンティークジュエリー
ファイヤーオパール ペンダント アンティークジュエリー 希代のファイヤーオパールの為に特別にデザインされた素晴らしいネオルネサンス様式のエナメル、実に美しいエメラルド、それらはカルロ・ジュリアーノが如何に情熱を込めてこの作品を作ったかの証なのです!!

これほど美しいファイヤーオパールが海外のアンティークジュエリーの本でも、見たことが無いのは、如何に希少価値のある石かということです!

この作品は僕の記憶に永遠に残る名品です!!!
ファイヤーオパール 拡大 ジュリアーノ 拡大
  エナメルに僅かの剥離がありますが、全体の価値からして全く問題の無い範囲のことです。
裏 実物大
100円玉サイズ
もちろん裏の仕上げも完璧です。バチカンの裏も同じエナメルです。  


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